つくコム通信vol.17(多重債務を負ったときの対策その4最終回)

多重債務を負ったときの対策講座の最終回は、破産手続について解説します。

「自己破産」と聞くと悪いイメージばかりが思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。

今回は、その悪いイメージの「自己破産」の実態を明らかにしていきたいと思います。

破産手続とは

破産手続は、債務者において支払い不能状態(債務超過)であることを裁判所に認めてもらうことにより、現有の資産をもって債務総額の免責を得るための手続きです。そのため債務者は原則として総財産の管理処分権がはく奪され、破産管財人が債権者に配当することとなります。(もっとも、99万円までの現金であれば当座の生活費として保有しておくことができるとされているなど、総財産のはく奪といっても、いくつか例外があります。)

要するに、破産をすることにより、結果、ほとんどの財産を失うことになりますが(退職金の支給が予定されている場合に、現在支給見込み額の8分の1を積み立てるよう要請されることがあります。)、次のようなメリットがあるのです。

  1. 破産手続き開始の決定後は、債権者の個別的な権利行使(取り立てや訴訟)ができなくなりますので、これらの応対の煩雑さを免れることができます。
  2. なによりも大きなメリットは、破産手続きの終了後「免責許可」という決定をもらうことによって債務を免除されますので、支払いに追われることなく、再出発を図ることができるのです。

免責を得られない種類の債権

この点、破産手続をとったとしても、免責を得られない種類の債権がいくつかあります。

  • 税金や罰金
  • 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 破産者が故意または重過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 破産者が扶養義務者として負担すべき費用(養育費等)

上記のような債務まで破産によって一律に免責とすることが結論として妥当でないことはお分かりいただけると思います。

破産手続の種類

破産手続の中には、負債や資産の状況、負債が生じた原因によって1同時廃止事件となる場合と2管財事件となる場合の2種類があります。

同時廃止事件とは、債権者に配当する資産がないことが明白である場合で、債務超過となった原因においても特段問題がないようなケースにおいて、破産申立と同時に手続きを終了させる事件のことです。同時廃止事件として扱われれば、手続きは簡略なものとなりますし、破産管財人の選任や資産の配当といった手続きもありませんので、管財人報酬等の予納金がかからないといった現実的なメリットがあります。

管財事件とは、破産管財人が選任され、管財人が資産の管理処分権を掌握して債権者へ平等に配当する手続きを経たうえで免責の決定が為されるというもので、破産手続きにおける原則的な形態です。管財事件と扱われる場合には時間と費用がよりかかることとなりますが、同時廃止事件か管財事件かは任意に選択できるようなものではありません。

なお、破産には免責不許可事由という、破産申立をしても免責を得られない場合があります。

破産法上は、免責不許可事由について、例えば、浪費により借金をつくった場合や、債権者を害する行為をした場合等定められています。もっとも、仮に免責不許可事由にあたり得る場合であっても、破産法は裁量により免責を得られる場合があることも規定しています。

免責不許可事由にあたるからといってあきらめる必要は必ずしもありませんので、弁護士に相談してみるとよいでしょう。

破産することの具体的なデメリット

破産申立を為すことによって発生するデメリットとしては次のものが挙げられます。

  1. 破産手続き開始の決定をうければ、経済的信用が失墜することはやむをえないことです。とくに事業者にとっては経済的信用の失墜は深刻な問題です。
    しかし、支払不能の状況に陥った時点で、現実的には経済的信用は既に失っていることが多いですので、破産手続き開始の決定をうけようとうけまいとこの点については大差ないといえるかもしれません。
  2. 事業者ではなく個人の破産の場合、信用情報に登録(いわゆるブラックリスト)されることとなりますので、一定期間ローンを組んだりクレジットカードを作ることが困難となります。
  3. 保険の外交員や警備員の仕事をする資格がなくなりますので、現にこれらの仕事に就いている方の場合には職務上不都合が生じる場合があります。もっとも、破産手続の中で免責を得ることで復権しますのでそのデメリットは限定的です。
  4. 郵便が破産管財人に配達(転送)され、開封されるので、一定程度プライバシーに関して制約をうけることとなります。但し、破産手続きが終了すれば転送は郵便転送は行われなくなります。
  5. 破産申立が為されたことが官報に掲載されます。

なお、破産をすると選挙権がなくなったり、戸籍に記載されるとの風評があるようですが、そのようなことはありません。

平成26年7月8日
弁護士 福嶋正洋 (茨城・つくばの法律相談は、法律事務所つくばコムまでお気軽にどうぞ)

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