【刑事弁護】殺人未遂罪で逮捕→正式起訴させずに身柄解放に成功
殺人未遂罪で逮捕勾留された方の弁護人を担当しました。
犯行の態様や、被害者が大けがを負っている状況等諸般の事情からして、殺人未遂罪といわれても仕方のないところがあり、裁判員裁判を経て実刑判決が下る可能性を覚悟しなければならない事件でした。
もっとも、被疑者の言い分や客観的な状況証拠、記録等を精査してみると、殺意があったとはいえないのではないかと考え、本件は傷害罪にとどまるものであるとして弁護をする方針をたてました。
その後も本件事件の検討をすすめていくうちに、当職としては「被疑者に殺意がなかった」ことを確信しました。
被疑者は20日後には正式に起訴されることになっていました。
そのため本件のような刑事弁護においては、正式起訴されるタイムリミットまでに どれだけ状況を打開できるかがカギとなります。
なにはともあれ、被害を受けられた方がおられますので、お見舞いに伺い、示談の可能性についてもお話をすすめさせていただきました。
本件被疑者は殺人未遂で逮捕されるほどですから、被害者が大けがを負っていることは事実であり、示談交渉は厳しいものでした。
それでも、最後には被害者の方やご親族にも当方の誠意が伝わり、示談をしていただくことができました。
そのうえで検察官と交渉し、本件において殺意があったとする判断がいかに誤っているかを説き、その点も認めていただくことができました。
このようにして、20日間の勾留満期ぎりぎりで検察に正式起訴をさせない決断に至らせることに成功し、被疑者の身柄の自由を確保しました。
幸い、適切な医療のおかげて被害者の方は大事にいたらずにすみましたが、二度とこのような事件が起きないことを切に願います。
平成28年11月18日
法律事務所つくばコム 代表弁護士福嶋正洋(茨城・つくばの法律相談は法律事務所つくばコムへお気軽にどうぞ。