つくコム通信vol.20「終活」のすすめ~相続を「争族」にしないために~
皆様は「終活」と「争族」という言葉を聞いたことはありますか?
「終活」とは、人生のおわりをより良くするために予め準備をしておくことです。一方、「争族」とは、遺産相続をめぐって親族が骨肉の争いをすることをさします。
人はいつか必ず亡くなりますから、相続は全ての人に等しく発生するものです。
相続が適切に行われれば、自分が死亡しても、次の世代の子どもたちや、お世話になった方に、遺産や自分の想いという生きた証を引継ぐことができます。この、「相続」を「争族」にさせないためには、正しい「終活」が必要です。
私は、弁護士という仕事上、これまでに遺産相続にまつわる親族間の紛争に多く関わってきました。多くのご依頼者が共通しておっしゃるのは「まさかウチが相続で骨肉の争いになるなんて全く想像してなかった」という言葉です。
- うちには、子どもや親族が互いに争うような資産はないから大丈夫?
- 子どもたちは親の気持ちを十分汲んでくれているはず?
このように考えている方ほど要注意です。「争族」になってからあわてるケースがあまりにも多いのですが、家族の絆が崩れてしまってからでは手遅れです。
では、どうすれば「争族」を避けることができるのでしょうか。
まずは、「遺言を作っておくこと」です。
もっとも、遺言さえ用意しておけば解決するかというとそう単純なものでもありません。
- せっかく作った遺言も、その存在が知られないままだとしたら無意味です。
- 遺言の方法、形式が、法律の規定に沿わない場合は遺言自体が無効とされてしまう危険もあります。
- 相続人たちが遺言の内容通りに従って相続を進めてくれるとは限りません。
- 遺産を受け取るはずだった人が先に亡くなっていたという事態が生じていることだって考えられます。
このように様々な問題が想定されますので、それぞれに適切な対策をしておかなければ遺言の内容を全うすることはできません。
身内だから何とかなるという考えは危険です。相続の問題は時間がたてばたつほどに問題が拡大し複雑化しますので、対策が必要かどうかの見極めも含めて早めに専門家に相談されることをおすすめします。
目安としては、60歳の頃より、相続と遺言について具体的に準備を開始していい時期と思われます。早すぎるように感じるかもしれませんが、健康なうちに「終活」をはじめておくのがポイントです。
適切な「終活」についてアドバイスを必要とする方、あるいはすでに「争族」が起こってしまっている方には、専門家の弁護士がお力になれますのでお早めに相談してみるのがよいでしょう。
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