つくコム通信vol.31 被疑者の生活を守るために

今回のつくコム通信は、法律事務所つくばコムの若手弁護士真野祥一が担当です。

第一回目のテーマは刑事弁護~被疑者の生活を守るために~です。

1 はじめに

刑事事件の加害者にとって、身柄拘束は、家族と会う機会や仕事を失うおそれがあり、その不利益は大きなものです。

そのため、早期の釈放や家族との面会の機会を確保することが重要です。

本コラムでは、早期の釈放や家族との面会の機会を確保するための制度である「準抗告」を中心に取り上げます。

2 「準抗告」とは

「準抗告」とは、勾留や家族との面会を禁止する命令などを取り消すよう請求することです。

裁判所は、勾留を命じて被疑者の身体を拘束し、事案によっては、家族、友人、知人との面会も禁止する命令を下します。

そこで、このような裁判所の命令を取り消すための手続きが「準抗告」です。

ただ、「準抗告」は1つの命令に対して1回しかできません。そのため、被疑者の家族等の身元引受書等の資料を集めて、迅速かつ慎重に申し立てる必要があります。

3 釈放について

勾留されると、短くても10日、長ければ20日以上、警察の留置施設に身柄を拘束されることになります。

仕事を持っている人は、急に10日から20日間仕事を無断欠勤することになり、解雇される可能性もあるでしょう。

また、介護が必要な家族や病弱な家族がいるなどの理由で家を空けることができず、家族が命の危険にさらされることもあるでしょう。

このように、身柄を拘束されることは、刑事事件の加害者の人生を左右するほどの不利益を与えるおそれがあることはもちろんのこと、その家族にとっても大きな不利益を及ぼします。

そのため、早期に身柄を釈放して、社会復帰させる手立てを何とか模索するのが弁護士としての職責です。

4 面会の禁止について

通常、被疑者の家族や友人知人は、警察の留置場で面会をすることができます。

しかし、共犯者がいる事件や否認している事件などでは、弁護人以外との面会を禁止する命令が出されることがあります。

被疑者は、留置施設という場所で20日以上も過ごさなければならず、連日取り調べを受けるなど非日常の環境下で、精神的にも肉体的にも疲弊しています。

そのような被疑者にとって、家族や友人知人との面会は、精神的な支えとなり、わずかながら日常を取り戻せる貴重な機会なのです。

そのため、弁護士としてはたとえ身柄釈放までは望むべくもないケースであっても、せめて早期に面会の機会を確保する手立てを講じる必要があります。

5 経験した事件

私が経験した事件の中でも、身柄拘束をされて家族との面会すら禁止されてしまったものがありました。

被疑者の妻は病弱で、度々家で倒れるなど命の危険すらある状態でした。近くに頼れる親戚もおらず、妻には収入もないことから、被疑者が精神面、生活面での唯一の支えでした。被疑者は妻のことを案じるあまり、「何でも良いから警察の言うことを聞いて早く出る」と言って、事実でもないことを認めようとしていました。この被疑者には、逮捕・勾留が3回繰り返され、身柄拘束の期間は60日を超えていました。そのため、裁判所は勾留の命令と面会を禁止する命令を3回ずつ繰り返していたのです。

私は、勾留の命令と面会を禁止する命令全てに対して「準抗告」を申し立てました。合計6回の「準抗告」をしたことになります。「準抗告」の申し立てにあたっては、被疑者と妻の生活状況等を説明し、面会や釈放の必要性が高いことを強く主張しました。

そして、あきらめずに手続きを重ねた結果、6回目の「準抗告」でようやく面会を禁止する命令を解くことができ、被疑者は妻と面会をすることができました。

6 終わりに

このように、早期の釈放と面会の確保は、被疑者にとってもその家族にとっても重要なことです。

私は、早く釈放して欲しい、早く家族と会いたいという気持ちを被疑者が持つあまり、捜査機関の取り調べにおいて不利なことでも認めてしまうおそれもあります。

そのため、早期の釈放や、面会の機会を確保することは、被疑者が謂れのない罪を背負うことを防ぐことにもつながり、ひいては、被疑者の生活の再建につながると考えています。

今回は、「準抗告」を取り上げましたが、「保釈」など釈放のために取れる手段は他にもあります。

いずれにしても、釈放や面会の確保に向けた動きは速やかに行う必要があります。

ご家族等が身柄拘束を受けた場合は、すぐに当事務所までご相談下さい。

平成29年12月15日  弁護士 真野祥一

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