つくコム通信vol.28 成年後見制度を活用すべき場面(具体的事例の解説)

皆さんこんにちは。つくコム通信は、つくばの弁護士福嶋正洋が不定期に更新している法律情報コラムです。

今回のつくコム通信のテーマは「成年後見制度の活用の手引 其の3」です。

本コラムでは、成年後見制度の具体的な活用事例を解説いたします。

ご本人のために銀行口座にある預金を用いた銀行取引がしたい。

例えば、認知症の夫の介護費用をまかなうため、夫の預金口座からお金を引き出そうとしたが、銀行に引き落としを断られてしまった、という場合があります。

夫婦のケース

これはご存じのとおり、最近銀行の方で本人確認なんかをきちんと行うようになっていますので、例えば、夫婦であったとしても、銀行取引はできません。夫婦だからということで引き落としが認められてしまうと、後で、使途不明の引き落としがあるなどとして相続時にトラブルになる可能性もあるのです。

そこで、このような場合に、認知症の配偶者の財産を管理する成年後見人の選任を申し立てるのです。もちろん、特別な問題がなければ、認知症になっていない一方の配偶者が後見人につくことは可能です。成年後見人として選任されれば、裁判所からの監督に服することになるという社会的信用から、銀行も預金引き落とし等の取引に応じてくれますので、これを本人のために使うことができるようになるのです。

介護施設のケース

例えば、介護施設の方で本人の印鑑等を預かっているというような場合でも、それだけでは当然銀行取引はできません。

介護費用の支払いをしてもらえずに困っている施設の方も多いと思いますが、本人の財産から施設利用料を支払うためには、やはり成年後見人が選任されなくてはならないのです。

消費者被害対策

例えば、1人暮らしの伯母の物忘れが最近ひどくなっていると心配していたら、ある時、悪徳業者に大量の羽毛布団を購入させられていることが分かった、というような消費者被害からの救済のために成年後見制度が有効です。

このように、必要のない高価なものを大量に買わされてしまうといったケースは、消費者被害の典型的な例ですが、実際に被害に遭われる件数というのは増加する一方です。高齢者・障害のある方を狙う悪徳業者は言葉巧みにすりよって、話し相手になるなどして信頼させて不当に高価な商品を購入させます。

手元に現金がなくても、息子・娘を装うなどして銀行に連れ出して、預金を引き出させるというようなこともしますし、別のクレジット会社とローン契約を結ばせるということだってあります。

クレジット会社とローン契約を結ばされたというような場合は、仮にローン返済中に悪徳商法の被害にあったことに気付いたとしても、クレジット会社としては「自分の会社とは関係のない話なので、被害の件は当事者どうしで解決していただくより他ありません、とにかくウチのローンはきちんと払って下さい」という対応をすることが多いです。そうすると、支払いの義務だけが残ってしまって途方に暮れるというようなことが多くあります。

このように消費者被害の手法にはさまざまな態様がみられます。いずれにしても不自然に高価なものを必要もないのに購入していたり、家中が羽毛布団であふれていたりというようなことがあったら、悪徳商法の被害にあったのかもしれませんので早急な対応が必要になります。

ご紹介したようなクレジットローン契約を結ばされたといったケースで、悪徳販売業者の行方が不明になってしまっているような場合であっても、クレジット会社に対して適切な対応を求める方法もありますので、被害にあわれている場合は早めに専門家にご相談ください。

虐待からの救済

例えば、遠方に住む親族が突然母親を引きとることにすると言ってきたのだが、どうやら彼らは母親の身の周りのお世話をほとんどしていないだけでなく、年金を使い込んでいるらしいということが判明したといったケースが実際に起きています。

「虐待」といっても殴る蹴るといった身体的な攻撃だけを虐待というのではありません。家庭内で親の財産を子どもが勝手に使ってしまうといったことも経済的虐待といいって、まぎれもない虐待の一種です。

日本では、どうしても「家庭内のことは家庭内で解決するべきだ」という考え方が抜けきらないところがあります。これは、一般の市民の方だけでなく、行政機関、警察なども含めて、そういう傾向があります。弁護士や司法書士、社会福祉士といった専門職の中にも、そういう方はいるかもしれません。

もちろん、家庭内で解決できること、解決すべきことというのはたくさんありますから、このような発想自体が悪いということではないのですが、例えば虐待の問題など、ケースによっては重大な問題につながる可能性もあります。

こういった虐待事案の場合には「家庭内のことは家庭内で」といっている場合ではなく、後見制度をはじめとした保護制度を早急に活用する必要があります。

相続財産の保全

例えば、親の財産をめぐって別の場所に住んでいる兄弟どうしで不信が生じている、親の財産に手を出そうとしているのではないかと疑われているというような場合があります。

このようなケースで成年後見制度を活用することがご本人の権利擁護に資するかどうかは慎重に判断すべきと思われますが、一方で親の面倒をみない兄弟に痛くないハラをさぐられるのは我慢ならないということもあるでしょう。

そこで、親の生活や介護の手配(身上監護)については子が後見人となり、財産管理は第三者の専門職後見人が行うというふうに役割分担する方法もあります。

このような役割分担をするという任意後見契約を結んでおけば、「親の判断能力がなくなってきたことをいいことに、勝手に親の財産を自分のものにするつもりではないか」などといった非難をされることもなくなり、兄弟間の不信も解消されるのではないでしょうか。

成年後見制度の課題

次回のつくコム通信では、成年後見制度の課題について述べたいと思います。

平成29年5月30日

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